10月振り返り
仕事場までの道のりの影のさし方が鈍感な私にも分かりやすい箇所にうまくあるものだから、今年は季節の移り変わりを太陽の位置でも感じている。
10月、わりと勢力に動いたほう…だと思うし、小さな失敗から小さく得たものもあったし、泣きをみたりしなかったし、充実していた…はずなのだが、なんだかただただぬるっと過ぎ去った印象が強く、11月がもう来たのかというほうにばかり目が向いている。ぜいたく! しかしもう11月…?
どうにも今年これをやったぜ~! という感覚が薄いのは、行動制限があるからなのか、それとも私がそのように熟したからなのか、どうだろうね。
今年初めの方にすごく反省することがあって一人でから回ったりしたのだけれど、未だに引きずっている。
悲しい時にどうして私はこうなのだろうかと思い悩むことは多くあるけれど、たいてい酔っぱらって終わってしまうし一生酔っぱらってられるほうなので適宜知らんふりをしている。
普段感じないところにまで悲しみを見出してしまったり、ささいなことから妬ましくなったり、まだうまく距離が取れずに何度も気になっては悲しみを取り出してべたべた触ってしまっている。よくない。
その場で反省を見出して次の行動に移れれば良いのだけれど、時間を置くしかないなー。
あつあつのスープはおいしいし匂いがするから気になるけれど、冷めきったスープをゆっくり噛みしめながら飲み干したい。
見たやつとか体験したやつとか
舞台「TRUMP」(配信)
配信「初めての繭期」にて。わいわいがちゃがちゃしていてこういう雰囲気もやってたんだという驚き。楽しかった。
わいわいシーンはサービスシーンでもあるよなと思う一方、上演時間シェイプアップできたのではという気持ちもあり。
どうかなー設定を飲み込みやすくもしていたし、しつこかったような気もするし、私は所詮画面越しで見ているだけだし。
舞台「COCOON 月の翳り」(配信)
配信「初めての繭期」にて。これまで見てきたTRUMPシリーズの中で一番好みの舞台だった。楽しかったなー。「そうだよな、それが見たいんだよな…」の連続というか。
舞台美術も衣装も音楽も照明も整い方がすごく良かったし、役者もきらきらしていた。
映画「ジャッリカットゥ 牛の怒り」
面白かったな~ 別に牛は怒ってなく、ジャッリカットゥという牛追い祭りを指す言葉に全てが込められてると思うのですが、その言葉自体が一般的にぴんとくるものではないんだからこういうフックを付けるしかないよなー。
山村の肉屋が屠殺前の牛を逃がしてしまい、逃げ惑う牛によって家は壊され田畑は荒らされ、遠巻きに眺める女たちをよそに、逃がした男は糾弾され村から追い出した荒くれ男は呼び戻され、牛を結婚式用に考えていた金を持つ側の男はただ安全地帯から嘆き、偉ぶるばかりの教会に権威を振りかざすだけの警察、村人総がかりでとらえようとする、その熱狂する男たちの一日を追った作品。
秒針の音と吐息によるリズムのみから始まる劇伴に寝静まっている人々の顔が次々と映し出され、幾人かが目を開き…という最初のシークエンスからどきどきした。生活音をうねりにして曲として仕立てられていって共同体だ! っていう感じ大好き。
途中から音楽は私には多少うるさいぐらい説明的に入れられているなと感じたんですけど、一方で気持ちよくもあるんだよな…。その共同体だ! が一体どのような共同体であったのか、個と群れ、映画が描いてきたことのこれぞというラストカットに向かって物語はひた走る。
最初と最後に黙示録から引用があり、最初の出だいたい話の流れは想像つくんじゃないかなぁ。
あと「『ジョーズ』を観れば、アニマトロニクスで作られたサメは、本物のように見えます。何年か経った今見ても、どのVFXで表現された生き物より怖く感じます。」(公式サイト 監督へのインタビューより)っていう監督のオーダーでできあがったオーディオアニマトロにクスの牛の実在感も最高。あ、あと200人という名前(設定)の1,000人とかそういう人員の見せ方してる。迫力。
舞台「ムサシ」(蜷川幸雄七回忌追悼公演)
蜷川演出舞台はこれが初見。ご存命の間に見ること叶わなかった。ので、まあ、という歯にものの挟まった物言いになっちゃうな。
めちゃくちゃ舞台美術が凝っていて役者も力いっぱい魅せてくれて絵の美しさは随一である一方、そもそも井上ひさし脚本との食い合わせの良さは特に感じなかったかな……。「なんでもなさそうな丁々発止のやりとり」がいちいちキマりすぎているというか。いやでもシャフトのアニメとかもそんなんだよな。私がテンポについていけなかっただけかな。
すぐよくなったんですが、しょっぱなの武蔵と小次郎のやりとりが演出なのかがなってるだけで何言ってるか全く聞き取れない感じで不安で仕方なかった。本当すぐよくなったので杞憂も杞憂だったんですけれども。
白石佳代子さん久々に舞台で見ることができたんですがかっこよかったなあ。
オンライン謎解き「四重捜査網からの脱出」(名探偵コナン)
コナンのことを熱心に追っていない。ちゃんと読んでた見てたのは榛原さんが入ったぐらいまでのこと。だけど謎解きがしたかった。コナンでなくてはならなかった。
「わかりました。それについては、こちらで解決いたします」ってセリフがガチで言えるっていうから…だから私は安室になりたかったんだ!
というわけで兼任もできるとはいうものの基本的に四人一組で挑む謎ときに挑戦したく、友人たちに頼み込んで付き合ってもらった。「なんでやろうと思ったの?」ってそれぞれに聞かれた。普段言わないセリフを自然に言いたかったんだ!
レギュレーションを確認せずに二時間半ぐらいかかれば終わるだろうとか舐めた態度でいたらしっかり四時間半かかった(公式表記は最短二時間だそうで…)。長い闘いだった…。
ちょっとUSJで催されているのっぽい仕掛けだな~と思ったりもした。
特製ウェブサイトを使用して進めるんだけれど、捜査完了後(脱出後)もサイトがある限りはまた見直せるようになっているということもへ~! ってなりました。面白い。
複数人でのオンライン謎解き、例えば二人が謎解きに取り組んでいるときに、残った人たちとこれどういうことだっけ、みたいな横道にそれた話がしづらいのがとても難しかった。解ける人がとりあえず解いて、状況をシェアしていく…みたいな動きが実地でやるようにはいかない。
面白かったな~。ちなみに「こちらで解決します」はテンパりすぎてて全然いう余裕がなかった。「えっあっそれね! ん!? あ! こっちでやるっぽい!」だった。
展示「ハリー・ポッターと魔法の歴史展」
ホグワーツで学んでいる科目にあわせた展示はとてもわくわくした!
ハリー・ポッターの世界にあったものの展示と、実際の人間界にあったものの展示がまぜこぜされていた。
このように取り使われ・このように描き出されていたけれど、私たちが生きる人間界ではこのようなふうに研究をしていた人がいるんだよ、こういうものを用いて何がしかを知ろうとしたんだよ…という文化が垣間見えるの面白い。浅く広くという感じ。
私が小中学生のときだったらより一層わくわく止まらなかったろうな。まさに知りたかった手がかり、調べるきっかけにあふれていた。
展示「半・分解展」
ずっと行きたかった半・分解展ようやく行けました! うれしい!
「フランス革命から第二次世界大戦の衣服を半分分解し、標本 にする」「本物を見て、実際に触れて、直に嗅いで、袖を通す」(公式サイトより)
当時の衣服を半分解体して型紙を起こし、また縫い合わせて服も展示してある。
私は服を作らないから見たところで受け取れる情報量は極めて少ないんですけれど、めちゃ…おもろ……!!
普段ガラスケースごしで「ここはどうなってるんだろう?」が全部見れること。お願いすれば触ったり着たりできること(ものすごく気さくな方だった…)。すげえ。
受け取れる情報量が少ないにも関わらず物凄い情報量に圧倒されてしまって、写真も撮り放題なのに見たり着たりするだけで精一杯だった。
更に簡単な説明を全体向けにやってくださっていて、分かりやすいところにまで落とし込んでの紹介でそれも物凄く面白かった。
絶対また行きたい。