劇場版アイカツ!の話
今はリアルタイム社会が叫ばれたことすら久しい時分でありますが、私ははまったものに対してあとあと、もうかなりコンテンツが落ち着いてから改めてネットの海で当時の声を拾って「わかる」「そうなの」とするのも好きなたぐいの人間なので、大変いまさらながらアイカツ!の話をしようと思います。
これもともと、
2014年の映画、劇場版アイカツ!にいたく感動しまして、いろんな人に素敵だったとふれまわっていたわけなのですが、ところでこれそもそもどういうもんなの? テレビシリーズどんぐらいおっかけたらいいのよ? というような話なりまして、私が友人に薦める、ということを念頭においたアイカツ!紹介記事を書いてみよう、と思い立ちました。
っていうすごい本当にいつの話だ? ってやつなんですけど、でも置く。貧乏性だから。
とりあえず、とにかく劇場版アイカツ!は以下のとおり。
①劇場版アイカツ!には予備知識なしでも鑑賞ができます
充分に話は理解できると思います。
②最低限の予備知識をつけたいとしたら、主人公のことを知ろう
一人のアイドルが登りつめていく物語になるので、テレビシリーズ序盤のひよっ子のころのエピソードを知っていると(=愛着、思い入れとなると)なおさら面白いようにできているかと思います。
簡易しおり
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劇場版アイカツ!は主人公星宮いちごがてっぺんを取りにいく話です。
・立ち位置
劇場版アイカツ!は、アイカツ!を冠する番組が星宮いちごを主人公に掲げた一年目二年目が終わり、三年目にあたって主人公が後輩へと代替わりした、そのあとすぐに公開された映画でした。
副題には「大スター宮いちごまつり」とあり、一年目・二年目の主人公を張ってきた星宮いちごのストーリーであることがはっきり銘打たれています。また、三年目以降出番を後輩たちへ譲るであろう星宮いちごの周囲のキャラクターたちとも一旦のお別れとなる総集編、「おまつり映画」なのだろう、というところでした。
・流れとあらすじ
アイカツ!の主人公、星宮いちごは一話目において、「アイドルに疎い女の子」でした。それがトップアイドル神崎美月のステージに魅了されアイドルになることを決意し、一年目、二年目とアイドルとしての彼女が積み重なっていくこととなります。
作中、星宮いちごはかなりの天才ぶりを発揮し、アイドルの階段を駆け上がっていくのですが、それでも神崎美月に一人では手が届くことがない(「やっぱり美月さんは凄いなぁ」)というふうに置かれていました。
二年間主役を張ってきた星宮いちごに残された、語られていない物語はそう多くありません。劇場版アイカツ!は、彼女が最初に憧れた人物、なおもトップアイドルの座にいる神崎美月へいかに手をかけ、追い抜くのか、という物語でした。
・私が胸をうたれたところ
キャラクター数の多いアイカツ!のメンツがかなり端までいきわたって物語を阻害することなく出演してくるという時点で割とすげえなって感じなのですけど、それも含め、とくに 脚本の魅力である(と私が思うところの)コンパクトさが相も変わらず光っていました。
・OP~「大スター宮いちごまつり」スタッフチーム結成まで
… おまつり映画としてのキャラクター見せと物語の下地
・~新曲を作ってもらうまで
… 映画版の持つオリジナル物語部分とこれからの展開の下地
・~大スター宮いちごまつり・同時並行で神崎美月探し
… おまつり映画としてのキャラクター見せ、神崎美月と三年目主人公の配置
・~ラスト
… 一年目と二年目でやりきれなかった神崎美月の話、そして三年目へのバトントス
で、どれもかなりの精度(多少スタッフチーム結成までは常にキャラクターの顔見世が続いてかったるさがないでもないんですけど)なんですが、やはりラストです。ラストに全部持ってかれました。それまで「うああ好き……おお~よくできてる…いい…とてもいい…」って言ってたのが、最後になってその話を! その話を!! ってものすごく気持ちが前のめりになりました。
トップアイドル神崎美月を追い抜く星宮いちご、そして星宮いちごに憧れてアイドルの門戸を叩いた未だ固い蕾である大空あかり。
当時ゲームのアイカツ!では「ロマンスドレス」という、既存の童話や物語を下敷きにしたコーデのドレスがレアカードとして設定されていました。この劇場版アイカツ!のステージにおいても、そのロマンスドレスが採用されています。三人のロマンスドレスはすべて「眠れる森の美女」を下敷きにしたものとなっています。
・神崎美月-シャインウィッチコーデ = 魔女
・星宮いちご-リラフェアリーコーデ = お姫様の呪いをやわらげた妖精
・大空あかり-スリーピングオーロラコーデ = 眠れる森の美女のお姫様
(個人的には星宮いちごは妖精よりも王子様のポジションだったというふうに思っていますし、眠れる森の美女よりも白雪姫なんかのほうがしっくりなのですがこれは我田引水なのでさておき)
星宮いちごは神崎美月に手をかける。魔女をその座から引きずりおろし、彼女が冠を頂く。彼女はアイカツ!界のトップアイドル、女王になったが、しかしそこは神崎美月の、つまり魔女のいた座である。その成る瞬間、彼女は大空あかり、眠れる森の美女を揺り起こす…。
女の子のあいだで起こる眠れるお姫様から妖精へ、妖精から女王へ、女王から魔女へ、魔女から女の子へ。彼女たちのあいだで”王子様のキス”に相当することが起こっていく。それはそれはきれいならせんを描く。分数にしては物語のうちのほんとうに僅かな時間に、悪人のいない世界で。本当にどきどきした。いいものを見せてもらったと思いました。
このコーデにまつわる話はここのブログ記事がそう、ああ……そう…そう……ああ……って面白く読ませていただきました。ので自分のためにもリンクを。勝手に張らせていただいているので、問題などございましたらお手数おかけして申し訳ありませんがご一報ください。
呪いと祝福とキスと(劇場版アイカツ!『大スター宮いちご祭り』感想 -ゲームばっかりやってきました(SpankPunk様)
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・一年目
アイドルに疎かった星宮あかりはトップスター神崎美月のステージに魅了され、幼馴染のあおいとともに「スターライト学園」というアイドル学校の門戸をくぐる。同じようにトップアイドルを目指す仲間たちとの出会い、神崎美月の背中を追いかけ、一人のアイドルになるまでの話。
1話「私がアイドルになっても?」
2話「アイドルがいっぱい!」
3話「あなたをもっと知りたくて」
4話「OH!MY!FAN!」
5話「ラン!ランウェイ!」
6話「サインに夢中!」
7話「つぶやきにご用心」
9話「MOVE ON NOW!」
12話「WE WISH YOU A MERRY CHRISTMAS!」
16話「ドッキドキ!スペシャルライブPART1」
17話「ドッキドキ!スペシャルライブPART2」
22話「アイドルオーラとカレンダーガール」
44話「モア・ザン・トゥルークライシス!」
47話「レジェンドアイドル・マスカレード」
・二年目
新設されたライバル校「ドリームアカデミー」から音城セイラをはじめとする新進気鋭の強力なライバルたちが現れた。いちごたちは交流を深めながら切磋琢磨していく。一方、フリーランスとなった美月は伝説のアイドル「マスカレード」を超えたいと二人ユニットでのアイドルカップを行うことを決める。
53話「ラララ☆★ライバル」
76話「びっくり☆フレッシュガール!」
78話「ミラクルはじまる!」
80話「アイカツ!ブートキャンプ」
81話「ビビビッ☆パートナー」
88話「伝説をつむぐ場所」
95話「夢の咲く場所」
96話「レッツ!あかりサマー!」
97話「秘密の手紙と見えない星」
99話「花の涙」
・三年目
星宮いちごに憧れてなんとかスターライト学園に入学した大空あかりが自分のアイドルの道を仲間たちとともに探しながら駆けていく物語。
107話「2人のドリーマー」
112話「GOGO!いちご応援隊」
全部で25話。結構ふざけてんのかって量っすね! 2クール分ちょっとある……。出てくるキャラクターの持ってる回を追加するとまだ増えるんですけどまあまあ(特に一年目「エイプリルフールのやくそく☆」は本当に入れるか迷った)。
絞った版作ろう!って思ったけど絞れませんクソオタでした!
一年目だけはアイカツのコメディさもわかってほしくて選んでる話もあるので、劇場版アイカツ!にぜひ見て欲しいという意味ではもう少し変わるかな…どうかなぁ。
ちなみにここに私の推しアイドル回はないし、よくできてる!って思った回も削られています。ううん悩ましい。
あと二年目はドリアカ勢が大型新規投入基軸だと思われるのにそこまで話数として登場してないのは、つまり、そういうことです。劇場版アイカツ、ドリアカメンツがいい感じのブースト役、賑やかしに近いとこで出てくるのもこれまでの総決算のキッチリな残酷感あって好きですよ……。
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★アイカツ!の成り立ち
アイカツ!はそもそも㈱バンダイのデータカードダスの新タイトルとして登場したものです。2012年10月から稼働、連動してアニメも同じ10月に開始しました。ターゲットは7歳~9歳女児を想定。アニメ製作はサンライズ。
「カードからデータを読み込んで遊ぶことで、憧れのアイドル活動を体験できるデジタルカードゲーム」です。
(㈱バンダイのプレスリリースより:http://bandai-a.akamaihd.net/corp/press/1000001212.pdf)
基本キャラメイクがゲーム開発側で行われていて、そのキャラクターたちをもとにアニメが起こされたというやつですな。販促アニメ。
★販促アニメアイカツ!
んで、アニメアイカツ!というのは、
「トップアイドルを目指す少女たちのスポ根サクセスストーリー! 『アイカツ!カード』でセルフプロデュースして、数々のオーディションに挑戦していきながら、アイドル活動にはげみます。 おしゃれも、芸能事情も!……そして恋も?女の子の憧れを全部見せます!!」といううたい文句。
(アイカツ!一年目公式HP内、「アイカツ!とは」より:http://www.aikatsu.net/01/index.html)
まあ、いわゆるといっていいだろう女児向けアニメなんじゃないでしょうか。ちなみに恋はお相手っぽいのがいないわけでもないですがそのセンは消えた。
★善人しかいないコメディアニメのアイカツ!
アイカツ!オフィシャルコンプリートブックの木村隆一監督のインタビューでは、下記が語られていました。
「あまり重たい気分にならずに観られるように、『悪い人がいない世界』でやってみたいという方向性でした。(中略)互いにキャラクター同士がリスペクト(尊敬)し合いながら切磋琢磨していく形の『スポ根もの』として、ドラマ作りができるんじゃないかなと考えていました。」
「(「井戸の茶碗」という登場人物が全員善人すぎて善人同士がもめる落語が好きだ、という話があり)そんなふうに善人だけでもドタバタ喜劇が作れるんじゃないかなと思いました」
(アイカツ!オフィシャルコンプリートブック:http://www.junkudo.co.jp/mj/products/detail.php?isbn=9784056107180 (丸善・ジュンク堂ネットストア))
だから、競い合うキャラクター同士はそしりあったり嫉妬したりしない。あとまず泣かない。トップを目指す、スポ根、と言われる中でそれはなかなか制約に思われますし、実際お話の天井として働いていると受け取れる話数もあります(特に二年目…特に二年目…)。
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せっかくなので推し回置いときます。
18話「チョコっとらぶ」(いちごの弟らいち回。あおいのチョコが欲しくて女装する)
19話「月夜のあの娘は秘密の香り」(ユリカ様回)
20話「ヴァンパイア・スキャンダル」(ユリカ様回)
30話「真心のコール&レスポンス」
54話「笑顔のヒミツ」
57話「ゆるキャ蘭ウェイ!」
61話「キラ・パタ・マジック☆」(いいからステージを見てくれ)
68話「花咲くオーロラプリンセス」(推しアイドル・マリア登場回)
89話「あこがれは永遠に」(ユリカ様回。良い)
90話「ひらめく☆未来ガール」(普通にMV作るまでの話で笑う)
あと劇場版に関係ないのでおいておいた三年目のいい回はこちら。
108話「想いはリンゴにこめて」(スミレストーリー1)
116話「大空JUMP!!」(あかりストーリー1)
117話「歌声はスミレ色」(スミレストーリー2)
122話「ヴァンパイアミステリー」(ドラマバカ回)
123話「春のブーケ」(あかりストーリー2)
124話「クイーンの花」
125話「あこがれの向こう側」(星宮いちごアフターストーリー)
128話「夢のショータイム」(アフターストーリーの向こう側にいる大人たちが良い)
130話「ユニットの魔法」(スミレストーリー3)
131話「輝きのダンシングディーヴァ」(スミレストーリー4)
133話「ハローニューワールド」(いわゆるかわいい腹黒キャラの調理が凄い)
150話「星の絆」(神崎美月アフターストーリー)
153話「とびだそう、広がる世界!」
154話「ジャガイモをマイクにもちかえて」(153話と併せてコンパクトな1・2年目タイプの話)
159話「ギャラクシー☆スターライト」(ドラマバカ回)
160話「夢はパーフェクトアイドル!」(あかりストーリー3)
166話「私が見つけた最初の風」(スミレストーリー5)
167話「夢のスケッチブック」(あかりストーリー4)
169話「ひなきミラクル!」
170話「アイドルのチカラ」(あかりストーリー5)
176話「いばらの女王」(スミレストーリー6)
珠璃ちゃんのことが好きなのに絞ったら入らなかった。なんでこうなる……。