アナと雪の女王 覚書

はい、アナと雪の女王3D字幕版見てきましたので覚書をしておきます。
良いと言われたものの良さが解らなかったので、自分の中で整理をつけるために覚書です。

解釈等では下記の二記事が大変素敵だったのでリンクリンク。
『アナと雪の女王』と、お姫様ではない女の子の話
『アナと雪の女王』ハンス王子の解釈
(いずれもらいとさんのRed Notebookより)

解釈は私は一切できませんでしたというかこうでこうでこうなのかな~~~!っていうような広がりを脳内で見せるような刺激を一切受け取れずにのこのこ劇場を後にしました。
わくわくもどきどきもしないまま気づいたら終わっていました。
良さが解らなかったといっても、「これの何がいいの!? よくないよ! 悪いよ!」というような(例えばトイ・ストーリー3に見せたような)熱さえないんです。
きれいだったし、素敵なシーンもあった。
ただ心に何も残らない。

好みの話じゃなかったんじゃないのとかハマることって稀有なことだよとかそういうのは脇に置きます、そういうことじゃない。

私の中でいまだに整理がついていないのでまとまりは全くありません。
友人に話を聞いてもらってようやくああだこうだ出てきたものを覚書です。
すみません。

 

以降、ネタバレに配慮はしてません。


・大きく言うと「きっかけ」「山場」がない

物語があるんだから全くないわけじゃないんだけど、効能を発揮してない。

・Wヒロインはどちらもを均等に描くことではない

と、思った。
分量とか視点とか割とどっちにもたくさん描いてるように感じた。
ここがなんかどっちらけで、どっちの視点でも緊張感がいっこも生まれなかった気がする。
「アナが開かれた扉の心の持ち主」のまんまで何がどうこうするわけでなし、
「エルサが閉ざされた扉の心の持ち主」「その内側にいるアナを非常に想っている」もまんまで何がどうこうするわけでなし。
情報がぜーんぶ匂わすんじゃなくて開示されてるから、あっはあ、まあ、そうなりますよね。ハイ。っていうので終わっちゃった。

・「エルサと雪の女王」

アナと雪の女王っつーか、私がタイトルつけるなら、これ、エルサと雪の女王だと思いました。
話はエルサがどう自分を許容して愛したいものを愛していると表現するのか、ということだと思ったからです。
アナはずっと愛したい対象(彼女の閉ざされた扉の中に居る人)のままで、うーんと、だから、何?っていう感じ。
「うわー冒険した~~!」って感じを私は持てないままに終わってしまっていて、アナの冒険、あんなに時間割いているのに!

・作品を代表する曲が見当たらない

しいていうならVeulieとかFrozen Heartかな…。
たとえばWICKEDならDefying Gravity!みたいな、そういう作品の顔となるべき、テーマを象徴していてかつ物語でもそこが芯となりますっていう曲が見当たらない。
だから、ミュージカルとしてもこの作品はイマイチ、というふうに私は判断しています。

・Let It Go

いやこれはなっちゃいけない代表曲だろって感じ。
シンジくんがみんなと溶け合うんだ!それでいいんだ!してるとこが作品の顔になってどうす…、いや、エヴァンゲリオンはそこが大きいといえばおおき…いややめよう。このたとえよくないな。
「自分のありのままでいるには一人ぼっちが最適解」っつってる歌がこの「アナと雪の女王」の顔になっていいはずないですよ。
でもここが広告に選ばれるのはとても納得しました。ひきつけるものがあるし、見せ場の一つだし、話としてはここからこその物語だし。

あとこれは完全に好みの話で、私これ映画で見るまで一回も見たこと聞いたことなかったんですが、あんまり惹かれませんでした。
なんだろう、ミュージカルソングって感じしなくて、いきなりふつうにそのへんで売っててもおかしくなさそうな楽曲きたなあ~ってぼんやりしてしまった。

・Vuelie ~ Frozen Heart ~ Love is an Open Door

もうほんと素晴らしかった。
素晴らしかった、冒頭から四曲。ミュージカル!すごい今まで以上にものすごいミュージカル楽曲でミュージカルしてる!
もうそれぞれすごくいいところがたっっくさんあるんですけど、とりあえず、「Love is an Open door」の二人が曲調もあいまってクソワロタ。

で、ここで凄い期待したものが後半何一つ返ってこなかった。
ミュージカルだったというのなら、あと一曲、ないしは二曲、絶対に必要だったと思う。
さっき言ったような、これこそこの物語と言えるものが。
心が通い合えてない、すれ違うところばかり曲に託してしまっているのが、私は残念だったし、爽快感には繋がらなかったのです。曲がどれほど素晴らしかろうとも。
パンフで「曲でこそ託せる・描ける心情がある」的な発言見ましたけどだったらさ!とより思ってしまいました。

・オラフ

なんかもっといい橋渡しになったんじゃねーの?
エルサが雪の女王になればなるほどオラフのアナに対する慕う心や心配するところがよく描かれるとかさ。なんかさ。

・クリストフと氷に魅せられる心

あの冒頭であんなナンバーいれてクリストフの幼少期を描いてるんだから、孤高で心を凍りつかせたエルサの「壮絶な美しさ」に魅せられて一瞬息をのむクリストフがいてもいいのに。
アナには「どんな姿になっても姉は姉」なのと対比してくれればいいのに。
そりゃ階段のとことかで多少描かれてたけどさ。

・「心が凍ったならヤバい」

っていうアレ。幼少期のヤツ。
な、なあんだ…単に全身凍るだけなんだ…ってガックリしました。
この振りで姉の呼びかけに答えなくなる(心の扉を閉ざす)アナとかそんな感じの展開くるー!?って期待してた。
まあ、これは、別にだからどうってこともない、単なる私の欲望の話なんだけど。

 

そのうちまた追加したり整理したりしようと思います。

 

さらにメモ)

門を開かないエルサ(その内側だけが彼女の愛が許される相手)、
門を開きっぱなしのアナ、
屋敷の門を開く→国の門を開く→国外の鍵を閉ざす(海を凍らせる)→国外の門を開く(海がとける)→国の門をいくらか閉める(取引相手は選ぶ)
んーでも、せっかく「外に住む」クリストフがいるんだから、そのへんうまくハマればよかったのに。

 

追記2014/03/20---

私まだ考察までたどりつけないんですが、雑感として、ハンスオチもありだったと思う。
ていうか、恋愛的にはもっとなんの決着もつかないままでもよかったなーという妄言。
四人とも可能性のあるままオチ。

結局ほっぺにちゅーくらいだったかと覚えているので(違ったらすいません)、
まだ真実の愛のキスはおくりあえない、ので、エルサだけでなくアナもカップル確定のない物語として読んでるんですけども。
まあ、順当にあのまま愛を育てることはあるでしょうが。

エルサはその能力を使って国の人々の笑顔を作る。
アナがあの日みていた美しい氷の花火(のようなあれ)を見上げる。
エルサは凍らせた海を溶いたし、扉も開きましたが、まだまだ彼女の内側にいる人を愛する/愛されるのでいっぱいいっぱい、だというふうに見ています。
これが王子様登場でいきなり外部を受け入れて扉開いたやったね!じゃないところが今回とてもいいところだと思っています。
まず、あるもの、今まで精一杯で素直に愛を向けて受けることができなかったものを受け入れる。
それから、まったくべつの異物、誰かを愛することがあるのでしょう。エルサの恋愛はこれからだと思います。

それをふまえて、ハンス、クリストフ、アナ、エルサはいっさいどこがどうくっつくかわからないまま(くっつかない可能性さえ残したまま)終わってもよかったんじゃないかしら、と。

「知り合って間もないからいろんな面を知らない。でも、短くても育んだものはある」。
ハンスがあのオチでなくてもよかったかなーと思うんです。
鏡としてーってあの考察がとてもよくできてるのにそのあたり丸無視しちゃいますが、
「君は怪物になってはいけない」からの、ラストの牢獄あたりで「君は怪物でいたがっている」とかっつって国/アナ(エルサの範囲の中にいたもの)を彼女が拒絶するからこそ怪物(=国やアナを脅かし続けるもの)としてうちとろうとするハンス…でもよかったんじゃないかと。

それにFrozen Heartかーらーのークリストフが雪の女王に対して恐れながら心を奪われるシーンなんかあれば、わりとうまくいくんじゃないのかとおもった次第。

 

追記2014/3/27-----

ツイッターで、ディズニーの描きだす素敵な身体描写を知っているから今回は?ってなっちゃったとこがあった~的なことを言ってたんですけど、という話の具体的なこと。

アニメーションのどこにしょんぼりしてしまったかというと、全体的に私には「重さを感じなかった」ことが大きいです。
特に印象深かったみっつを。

1.「Frozen Heart」の氷を切り出す人たちの腰の動き

たぶんディズニーもよく使う曲にあわせて多くの人が揃った動きをするという見せ場ではないかと思うんですが、どうもへっぴり腰に見えてしまった。

2.「For The First Time In Forever」のアナが窓際のブランコ?をたぐって上にあがる動き

今までもたくさんディズニーはその細腕で?!という動きをたくさん作ってきたんだと思います。ていうかアニメでそんなもんそんなに気にしない。普段ならそうです。
たぶん全体の動きとかからしっくりくるんでしょう。でもここだけは、エッは?!エッ!?す、すごいねアナ?って我に返ってしまいました。
ラプンツェルは気にならなかったんだけどなー。

3.「Let It Go」エルサのラストのセクシーな足運び

これ、この動き自体がどうこうっていうか、とにかく、重さのないぬるぬるっとした動きで、もっと!重みのある!セクシーな!っていう欲望がパーンしただけなんですけど、うぐぐぐぐ。

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