ドリフェス!R9話のこと

ドリフェス!のKUROFUNEの、いえ、黒石勇人の、っつーか推しの話をさせてくださいよ。
ええまあ、地上波はまだRの2話なんですけど。

(Rの9話の感想です、ええ、ネタバレは大いにあります)

前回のド!Rの感想と同じように、かなり雑ですが……吐き出させてくれ……。

はあもうほんとうにごちそうさまでした。

黒石勇人の! 推しの! 物語だったんです!

Rの2・3話はKUROFUNEの物語でしたが、9話はかなりひたすらに黒石勇人のための物語で、黒石勇人が、自分の影響力について、周囲へ思いをはせる、目線をやるための物語でした。
リョウに関してはかなりそのためにワリをくってる(というかダメな大人としてデザインされてしまった)ような気はしていて、まだ消化してないんで彼について・その物語についてはまたそのうち(そんな日をきちんと設けられるかどうかはわからない)。

ともかくもKUROFUNEは二人ともいろんな人間をひっかけることのできるファムファタルな男だなと思うんですけど(どうしようもなく目を引く風間圭吾、目が離せない黒石勇人)、誰か一人だけにとってのファムファタルではあれないということ、つまりは輝けるもの、アイドルであるということ。

黒石勇人は人と出会って音楽を知った。
けど、ドリフェス!という物語の開始当初、彼はひとりだった。「また組もうぜ」と声をかけられるのだから、その場限りで組んで自分を歌っていた。
届けたい相手がいて、もっと大きな声を。もっと揺らがすステージを。そうして目に留まったアイドルの輝きに勇人は躊躇なく手を伸ばす。
手を伸ばした先で必要にかられて隣に「立ってるだけでいい」と据えた男は、「きれいだから」、それはアイドルの輝きだったんだろうと思うんですよ。
「おもしれーな」って始めたことが、輝きを知って魅せられていく。
他方もちろん、ドリフェス!一期9話で描かれていたように、黒石勇人の行為は完全に風間圭吾に自ら踏み込んでいる。これめちゃくちゃ無防備だと思うんだよな…
輝きに躊躇なく手を伸ばし、なにやってんだよって思ったから思い入れもたいしてなくても、なにも知らなくても、なにやってんだよってやりにいく。
こいつらどっちもファムファタルな男どもなんだよ。

 

でまあ、本当にF2Fなんですよ。これに尽きる。

DearDreamが『最高を超える』「シンアイなる夢へ!」とうたう一方、KUROFUNEは『夢を超えろ』『自分を脱せ』とうたった。
まさしく一期9話の圭吾の話はそうで、『要因ではなく、理由は鎖』しがらみである、過去から連なる自身への(失望の)視線を、勇人によって立ち切られる。「鎖よりも確かに」「存在を映す鏡」を手に入れる。俳優になりたかった夢から、違うステージへ。
二期9話の勇人の話も同じ。2・3話がそうだともいえるんですが、そのジャンプアップを経て(一緒に歌いたかった誰かがいるんだという自分を歌で叫ぶ要因の説明)、それでもなお勇人は自分たちのこと、つまり、自分を歌っていた。黒石勇人は自分でしか在れないし、そしてそれは彼にとってすり減るものなどではない。そうでしかいられないということに過ぎない。違うステージへ彼が行くには?


劇場版アイカツ!において、星宮いちごは自分に届いた自分の気持ちを、歩んできた道から浮かび上がる星々を、目の前にいるみんなに伝えることで、届けたい人に通じると信じて、届くかはわからないたったひとりの歌を歌った。全ての人のものである歌であり、たった一人に向けられたもの。星宮いちごが通じるものだと落ち着いて歌えたのは、美月やファンをという以上に、自分という意味ではなく、それらすべてをつなぐもの、アイドルという輝きを信じていたのだと思う。そうして、だから、トップへ抜け出た。

自分のことを歌い続け、『乗っかりたい奴らが乗る』という態度だった黒石勇人が「歌を必要としている奴らのために」と作った歌を「聞いてくれ」という。逆だけれど、同じことを指してる。アイドルというものの輝きの話。

 

2・3話をへて「お前のエールに面舵いっぱい」は出てきますが、そのまま続けて風間圭吾によって「あなたとともにボン・ボヤージュ」でひとかたまりとなる。2話で過剰なアピールを一人で行っていた風間圭吾を思うとほんとよかったねって一対のセリフでした。

9話ですよ。「エールをくれるおまえらのために、俺のすべてをくれてやる。一緒に新しい世界を見つけに行こうぜ」。
本気で口に出して「ばっっっかやろう」と言っていました(萌えのためです)(どうしたらいいかわからなかった)。黒石勇人に言わせたいセリフすぎる、「俺のすべてをくれてやる」。
リョウの入港先は、「撮れ、俺を」と自らを開国した(あるいは風間圭吾によって「されている」)黒石勇人です。写真家を選んだリョウとはもう、共に並び立つことはない。音を重ねることもできない。Future Voygerで歌った「いつもそばで響き合える音に会えて未来は開いた」「俺たちの歌は世界中に響く」のは風間圭吾とともにある。そうやって離別したことを飲み込み、その距離の中でのリョウと自分を見た。自分の影響力、立ち止まることのある自分にとってなにがしかある人、ファンの存在へと目は見開かれていく。
「あなたのためなら即位する」。「俺のすべてをくれてやる」。同義です。二人の思いは同じ方向を完全に向きました。「お前のエールに面舵いっぱい」、「あなたとともにボン・ボヤージュ」。
アイドルとしての価値、それは新しい世界だった。

 

「お前へこんじまうだろ」…黒石勇人ほんとよく見ている…ものごとをとらえようと感度は整えられている…。
繊細なのは風間圭吾ですが、敏感なのは黒石勇人のほうだよな。

なにより「音楽を選ばなかった」リョウを飲み下せた勇人な。

(ところで黒石勇人という男は実に「減らない」「そのままであるしかできない」男なわけで、私はそこに育ちの良さと彼の愛情の裕福さを思い知るんですが、3話における家族状況を見るだにおばーちゃんはかなり大事なポイントだったか、あの状況においてなお求められてしまうことと与えられる愛情は切り分けうるものだと知っていることになる)(…)

 

まあこんなこと言ってますけど、初見時は黒石勇人のセリフに「ばっっっかやろう」と言った次の瞬間、開!国!に「ばっかやろうwwwwwww」ってなってたし、視聴終了後即座に出てきた感想が「私…あのコールを…するの…?」という実に具体的な戸惑いに塗りつぶされてた。更に言えば戸惑いとかっつってるけどたぶん当日、めちゃくちゃノリノリでする。

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