摘まれるにも

赤いランプは三度夢見て それきりしばたかせるとしずかを知った
ハモの足あとに水溜りは喜んで道のりを壊してしまう
(ろくでもない、とおばは怒っている)
ノックをしたのにだれもことばを返さない
夜は
自分のほおっぺたの感触にとけていく
明かりのひややかさにペンギンが並ぶ
夜は
とろけていくどろのほおの
(ろくでもない、とおばは怒っている)
たった一度の明滅で夜ではいられなくなる
赤いランプはしずかを知った
水溜りだけひかりをうつして微睡んでいる

 

2014/11/21 (Fri)

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