おとはがくらく

とんでいく
空気やスカートを
おさえた音
はばたく音

歌入らない
水とか星とか遊具とかそういうものの狭間の
にじんだり 遊んだり 溢れだしたりする

こらえきれない遠吠えが
紙となって広がりを
振りみだした髪、飛行機雲
五線譜を引いていく

まっしろ三角のコーナー
ちぎった耳があてどない眼球が
求めても、ゆらいでも、寄せ付けない

のびる二の腕を想像して
握りこぶしのお手手がぱちん、

(くすぐったい草の)
(草の生きろ、生きる、死ね、活動)
(活動、足、運動、ない、手)
(手、おたまじゃくしを掬いえる)
(えるもの、宇宙の言葉が)
(言葉が耳かきになって)

とけていく手足が
下半身をなくしていく
少年が目を閉じた
音はただとめどもなく

 

(2010/01/21 (Thu))

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