あるものみんな
別れの言葉を忘れた風船が
空をくうくう漂っている
見送る人々の手は
ただ左右に揺れ
草と同じような1/f
夢の奥で瞬いていたいびきが
とろとろベッドを溶かす
隣にいるだけで
眠りに落とす子守唄
こころもどろどろ溶かすのだ
やわらかなものを
拘束しないであげてほしい
固まる日などこないまま
こぼれていって
かたちをかえて
残したかったものは
何一つ 消えて いって
頭蓋骨の奥でこびりついて
かたちを
とめてしまう
やめてしまう
…
新しい朝日に
懐かしさを覚えながら
ただ身を起こしていくのです
ただ身を起こしていくのです
(2010/01/01 (Fri))