太陽の夏
ただしい 位置とか 折り目とか
あればいいのに 光年の孤独
ロッキンチェアのあしもとに
巻き込まれないように
夏がいて
そっとしといてやりたい
ちらちらと陽炎
最短距離の曲線をゆっくりなぞって
なにものこらない
自らを覗き込む
いつのまにか
この小さな揺れも消えてしまう
もう少しきり
くすぶらせておいてほしい
遥遠に
先立つ靴音は高らかに鳴った
木目の隅々に至るまで
きしみは染み込み去っている
なにものこらない
ロッキンチェアの僅かな揺らぎで
照らされたり陰ったり
ちらちらと陽炎
あとすこし
(2009/05/28 (Thu))