ななつのこ

それは美徳を振りかざした
醜悪なカーニバルであった
まるで疑わない正義と
興味を失った悪と

少女はきれぎれに
知らず岸に足をかけて
繋ぐ身体はほっそりしている

夜を食べようとする怪物は
女の腹から生まれ
家の中心そのものとして生きていた
彼はなぜ食べるのか
彼もしらない

よってたかって生かされる
悪徳たちは
痛み
他人の呼吸に身を任せるしかない
気軽なものだった
正義は
躍り狂ったが

だれしもの目にはとまらなかった
共有する言葉がなかったのだった

少女の体が
人々によって
いちまい いちまいと暴かれて
避けるチーズのように横たわっていた

誰もいなくなった昼間に
怪物はまだ夜を食おうとしている
 
(2009/10/08 (Thu))
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