溺れた気泡

こぼした手首を
ひっしでかき集めるきみに
欲情した

もう
まるはだかで
皮いちまい向こうが透けて見える
みゃくうつ鼓動であるとか
のうみその皺の数であったりとか
そういう…

きみの個人的な感情とは全く別の
しかしきみのいちぶであるのだよ
欲情した
隣人を愛していた

二度とは取らない手を
そっとなぞって形だけ知っている
もうこの今日だけのことで、終わらせてしまう

涙の届く位置にはいないので
足首を持てたなら
頼ったままで転倒させよう
私が下敷きになるはずだ

なぞられた足の指先
はさみこまれた親指を
何度も撃ち落としているのだと理解して

 

(2009/09/14 (Mon))

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