細切れの夕べ

よつの間
見まわした
首が戻らない

くらがりに
足をひたして
夕涼み
うちわに煽るコオロギ

はねた内水の
末端が月に溺れて

無造作な足が可愛い
きみはいま息を忘れている
振りむけないけども
穏やかな眉尻

移したい吐息を
花瓶の中に閉じ込めた
金魚は二酸化炭素に凍った
 
(2009/07/07 (Tue))
 
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