声張る

冷えた窓枠に頬を寄せる
しらいでいて
眼球のうらがわを撫でている

景色はまくら
吸い込まれもせずに一部だった
くびすじに雨が
なにをはこぶの えらぶの

龍の弧をえがき屍がつらなる
口のなかから
咽のおくから
ときどき 戯れた自分が加わって

愛なんで知らない
叫ぶがままに 白濁は放たれ
気ままげに見下ろしてくる

消した星々の響きが胸を撃つ
わざわざ見たくないもののまえに立ってみる
いたいほどひえて、耳ばかりがあつく生きている

 

(09/01/23 (Fri))

戻る