青黒いうそ

青黒い
うそのなかで
いま うごめいている
必死に文字を追えども 追えども
青年のあくびのまえに
なすすべがない

白い
ほのおが ケロリとして居る
音もなく
およぐように ゆらゆら
流れはそっちでないのに
ゆらり ゆらぐ

頭から冷水をかぶって
なにかを核心したのだと
すこしずつ塗り固めて
油絵でもないのに

青黒い
うそが ゆらぐ ここちよく
心臓と胃のあいまに リズムをとるのだよ
青年は 席をたったが
しかし

 

(08/10/03 (Fri))

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