しらないマチコ

どうにも
おちつきのない子どもです
よく人がよけて通ります
目はぱちぱちします
あらぬ方向が気にかかります

せまりくる
ひとまたたきを知っている
再びはないの
少しの予感
じっと見る

建てかけの六角形やら
ぬりかべの襲う夕日やら
バスの電光掲示のひとつぶだとか
ながれる電車の生命力には
ひっかかりすぎて、洪水、おしながされる

いかにも
しかたのつかない子どもです
道に迷ったことはないです
ただ未知には途方にくれます
なんのへんてつなどありはしません

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