ケセトラ
咆哮
夜はすべて落ちるまで
蜜が流し込まれて
止まった手は棘を知る
パラフィン紙は指先を包んでいた
薄い網膜の先に、どうしようもなく光があった
なぜくらやみの奥底の
ゆくえをしるだろう
エッジのきいた耳のとんがりは
あなたのものでなく
そのため
私は道を間違えずに歩く
ほかない
隣を急くのは祭りのあと
夢はすべて繋がっているの、だからと先生は言う
届かない声はないのだ、と
嘘である
すべて
そうして
嘘たらしめるべく
星屑のは死骸(虫らも食べないでいる)
流れた明け星が呼吸を忘れて
なにもかも失速
光はなないろの閉塞感
ただ臥している瞳を起こしたので
さめないものなどないので
振りかざした手の先の
血が奮わせる
何度も流れる星は蜜のなか
絵のごとくに固まって
(2008/01/27)