エクリプス

つまびいた弓弦 世界のはんぶん
帰一、
夜を縫い合わせ くるむ まっくらやみ
日常の隙間から満ちる

ぬえどりの 啼いた
れこ式、いえません、知っていらっしゃるでしょう、
誰そ彼 もう 満ちたの
あつい頬に夜をすりよせて 木苺を食む
軒並みあなたにお辞儀した

場違いの弓弦 縒り合わせ続けた
糸雨のやまない 帰一なく喜一せず やまない
夜の明くる気色を望んだ
出会えたことは尊べること
僕は
梔子を抱いて
果てしのない明日を臨んだ

 

(2006/12/06)

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