さよなら

去る音はいつにも捉えどころはない
そして、さよならを逃してしまう
(またね)
なんて なんて 途方も無い

(ね ね ね)
なんて
約束に憑いた呪詛みたいな

いつのまにか
終わってくれるのだろう、と
幕ひきの用意などせずに
けれど着実に
いつのまにか たったひとり
明日の準備は万端で

あなたのさよならも聞こえてこない

うそつきのつもりもなく
口を吐いたおまじない
背中をすべりおちるこれまでの世界に
明日の準備だけ背負わせて
いつのことだか、もうわからない

さよなら
さよなら
さよなら

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